600kmよりも400kmブルベの方が難しいって聞くけど本当なの?
300kmまでは完走できたけど、400kmブルベって具体的に何が難しいの?
実は600kmブルベよりも難易度が高いのでは?と言われている400kmブルベ。
実際にスタートからおよそ20時間が経過した頃になると、眠気によって疲弊したランドヌールを多く見かけることもあり、400kmブルベから難易度が一気に上がる印象を受けました。
特に生活リズムがしっかりしている方ほど400kmブルベに対する苦手意識が高く、根性だけでは完走できない距離になっている。というのが本記事の結論です。
これらの内容を踏まえ、24時間以上のライドが発生する400kmブルベについて詳しく解説します。
個人的には、単純に走行距離の長い600kmブルベの方が断然難易度が高いと感じています…
400kmブルベの概要
走行ルートによって、獲得標高や消費カロリーは前後しますが、400kmブルベの概要は以下の通りです。
走行距離 | 400km |
制限時間 | 27時間00分 |
必要なグロス速度 | 14.8km/h |
平均獲得標高 | 3000m〜5000m |
平均消費カロリー | 9000〜15000kcal |
開催時期によっては平坦の割合が多いブルベも存在しますが、400kmブルベも獲得標高は高めに設定されています。
また、27時間近くの走行時間となるため、仮眠がほぼ必須であることや、夜間帯〜早朝にかけての防寒対策が欠かせません。
グロス速度の計算について
走行時間が長くなって、グロス速度の計算が面倒な場合、等速度運動(速度を計算)を活用してみてください。
以下の画像では、7時間45分で125km地点にいる場合のグロス速度(16.1km/h)を算出しています。
走行時間が長くなると計算が面倒になるので、ぜひ活用してみてください。
400kmブルベの必須装備と追加した持ち物
参加ブルベ | 400km (規定) | 400km (僕の場合) |
反射ベスト | 必須 | R250の反射ベスト |
フロントライト | 必須(2灯) ※予備灯は任意 | メイン:Navi800 サブ:RN1500 |
テールライト | 必須(1灯) ※常時点灯可能なもの | メイン:キャットアイ タイト サブ:キャットアイ タイト |
ヘルメットライト | 必須(1灯) ※点滅可 | キャットアイ セーフティーライト |
ベル(警音器) | 必須 | キャットアイ ベル |
その他 | ー | キューシート、サイクルウォレット、輪行袋、パンク修理キット、ウィンドブレーカー、モバイルバッテリー、補給食、胃薬など |
Audax Japanの参加規定に記載されている通り、反射ベスト、フロントライト2灯、テールライト、ヘルメットライト、ベルの携帯が必須となっています。
反射ベスト:R250の反射ベスト
ブルベといえば!でお馴染みの反射ベスト。
反射ベストには黄色・オレンジ・ピンクなどのカラーがありますが、個人的には黄色派です。
R250の反射ベストは、軽くて着脱しやすいので気に入っています。
おすすめの反射ベストは以下の記事でまとめていますので、参考にしてみてください。
フロントライト(メイン):Navi800
安価な価格帯にも関わらず、8時間以上(200ルーメン)のランタイムが魅力のフロントライトです。
予備のバッテリーを購入することで、CATEYEのVOLTシリーズと同じ運用ができます。
詳細はNavi800を徹底レビューで解説しています。
フロントライト(サブ):RN1500
12時間以上のランタイムに加え、最大1500ルーメンの光量が魅力のフロントライトです。
いざという時にモバイルバッテリーとしても利用できるので重宝しています。
詳細はRN1500を徹底レビューで解説しています。
テールライト(メイン・サブ):キャットアイ タイト
常時点灯160時間に対応しており、ランドヌールにとって定番のテールライトです。
やや重量はありますが、電池式な点が気に入っています。(いざという時はコンビニで電池を買える!)
ブルベにおすすめのテールライトは以下の記事でまとめています。
ヘルメットライト:キャットアイ セーフティーライト
常時点灯60時間に対応しており、ランドヌールにとって定番になっているヘルメットライトです。
非常に安価で、使い勝手の良い点が気に入っています。
ベル:キャットアイ ベル
KNOG(ノグ)のライトを使っていた時期もありますが、現在はキャットアイのベルに落ち着いています。
小型でしっかり音が鳴る点が気に入っています。
カウベルなどは参加が認められない場合もあるので、注意が必要です。
僕はこれらの必須装備に加え、以下のものを携帯して400kmブルベに臨むようにしています。
キューシート
電子データよりも紙媒体の方が閲覧しやすいので、印刷したキューシートを携帯しています。
背中のポケットに入れても汗で濡れないよう、100円ショップで購入したビニールケースに入れて携帯するようにしています。
クラブによって必須・任意が分かれますので、事前に確認するようにしてください。
キューシートの携帯方法は以下の記事でまとめていますので、参考にしてみてください。
輪行袋(モンベルコンパクトリンコウバッグ)
任意としていますが、目的地までの輪行やDNF時の輪行に欠かせない輪行袋。
絶対に走り切る!と思っていても何があるかは分かりませんので、必ず携帯するようにしましょう。
R250のサイクルウォレット
ブルベカードやレシート、現金や目薬など、様々なものを収納できるので非常に重宝しています。
また、防水性能が高く、雨の中走っていてもブルベカードやレシートが水で濡れることもありませんでした。
ツールボトル(パンク修理キット)
滅多にパンクすることはありませんが、ブルベ中は何かとトラブルが発生するので、使い方を事前に確認しておくことがおすすめです。
ちなみに、はじめてパンクを経験したのが、はじめて参加したブルベ中で非常に焦りました…
ウィンドブレーカー(Santini)
雨や防寒対策を目的としたウィンドブレーカーで、絶対に持っていった方が良いと思っています。
PEARL IZUMIやKAPELMUUR、Santicなどお好きなブランドのウィンドブレーカーを携帯するようにしてください。
モバイルバッテリー(家にあったもの)
走行時間の長時間化によって、スマホやサイクルコンピュータなど、バッテリー残量が少なくなってしまう可能性が非常に高いです。
フロントライトのRN1500でも、各種モバイル機器を充電できますが、夜間走行時にバッテリー切れ…
となっては本末転倒なので、別途モバイルバッテリー(3,800mAh)を携帯するようにしています。
ややサイズが大きいので、もう少し小型の方が使い勝手が良いかもしれません。
assosシャモアクリーム(パッド用クリーム)
走行時間が長くなるため、サドルとお尻が擦れて痛みが生じる可能性が高いです。
そのため、途中のPCや通過チェックの際に、パッド用クリームを塗り直せるよう、小分けにしたものを携帯するようにしています。
ASSOSのシャモアクリームはメンソレータム軟膏のように肌がスースーするので、違和感を持たれる人もいるかもしれませんが、個人的には気に入っています。
補給食
主にプロテインバーやジェル系の補給食に加え、グミやカロリーメイト、羊羹などを携帯するようにしています。
コンビニでも購入できますが、スーパーや通販で事前に購入しておいた方が安価でお得です。
医薬品
突然の痛み対策や、消化の促進を目的として湿布や胃薬を携帯するようにしています。
ブルベ中は食べたものを早く消化して、エネルギーに変換したいので、PCや通過チェックでがっつり弁当を食べた後に消化を促進する胃薬を服用するようにしています。
胃薬は似ているようで用途が大きく異なるので、薬剤師から説明を受けて購入するようにしてください。
実は300kmの装備と何も変わりません。
ですが、輪行で帰宅する場合、完走後の汗匂対策として着替えを持っていき、駅で着替えてから電車に乗るようにしています。
乗客が多いタイミングでの輪行になる可能性があるので、着替えを持っていくようにしています。
【参考情報】400kmブルベで掛かった費用
他のブルベと同じく、手厚いサポートがないので参加費は安く設定されています。
とはいえ、実は食事回数の増加に伴い、思いがけず出費が増えてしまうため、事前にどのくらい費用が掛かるのかを確認しておきましょう。
参加ブルベ | 東京400ぐるっと伊豆イチ | 日本橋400(100周年記念) |
主催クラブ | ランドヌ東京 | AR日本橋 |
参加費 | 2,200円 | 2,200円 |
PC・通過・フォトチェックの数 | 8カ所 | 8カ所 |
ブルベ中に利用した金額 | 5,617円 | 4,613円 |
記念メダル購入 | 1,000円 | 1,000円 |
合計金額 | 8,817円 | 7,813円 |
サンプル数は少ないですが、メダルを購入する場合、400kmブルベで掛かるおおまかな費用は8,315円となりました。
この金額に加え、集合場所までの電車賃や朝食、完走後のご褒美飯などが追加で発生する場合もあるので、事前に把握しておくことがおすすめです。
走行距離が長くなるほど、食事の回数も増えるので、比例して出費が多くなってしまいます…
【参考情報】400kmブルベの消費カロリーと摂取カロリー
おおまかではありますが、僕が参加した400kmブルベの消費カロリーと摂取カロリーを集計してみました。
消費カロリーが大きく異なりますが、これは走行時期の気温による影響が非常に大きいです。
参加ブルベ | 東京400ぐるっと伊豆イチ | 日本橋400(100周年記念) |
主催クラブ | ランドヌ東京 | AR日本橋 |
消費カロリー | 8942kcal | 14379kcal |
摂取カロリー | 6060kcal | 4440kcal |
平均心拍数 | 128bpm | 143bpm |
伊豆イチは小さなアップダウンが連続したルートで、獲得標高も高かったものの、後半8時間弱は土砂降りの中の走行であったため、思いのほか消費カロリーが少なかったです。(心拍センサーの不具合の可能性もあります)
100周年記念はほぼ平坦だったのですが、熱中症になってしまうほど気温が非常に高かったこともあり、消費カロリーが多いだけでなく、食欲が湧かず、固形物が食べられなくて本当に困りました…
なんにせよ気温によって、消費カロリーが大きく変わることを身をもって体感しました。
尚、摂取カロリーの大まかな内訳には以下のようなものがあります。
- おにぎり(塩、鮭、梅干しなど)
- 温かいそば
- 果物の入ったゼリー(フルーツミックス、みかんなど)
- 炭酸飲料(コーラ、三ツ矢サイダーなど)
- 和菓子(団子、大福、羊羹など)
- ゼリー状の補給食(ウィダーインゼリーやアミノバイタルなど)
- アイス(ガリガリくん、クーリッシュ、チョコアイスなど)
- エナジードリンク ←かなり気持ち悪くなったので、飲むタイミングには注意が必要です!
とはいえ、400kmの長距離となると複数の食事が不可欠ですので、脂質を気にし過ぎては食事の内容が似通ってしまうため、楽しみも半減してしまいます。
その時の気分によって飲食店に立ち寄ったり、好きなものを食べるなど、ご自身の嗜好に合わせて補給するようにしてください。
深夜帯の休憩中に食べる温かいスープは、身体が温まるのでとてもおすすめです。
ブルベ中の補給について記事をまとめていますので、参考にしてみてください。
400kmブルベの難易度
400kmブルベの難易度は非常に高く、特に規則的な生活をされている方にとっては600kmブルベよりも難しいと言われています。
難易度が高いと言われている具体的な理由として、以下のような内容があります。
特に「まともな睡眠を取れない状態で24時間以上も走行しなくてはならない」という点は、判断力を鈍らせるだけでなく、危険と隣り合わせだと感じました。
以降の項目で詳しく解説します。
24時間以上走行しなくてはならない
400kmブルベは制限時間が27時間となるため、順調に進めたとしても、完走にはおよそ24時間前後の時間が掛かります。(超人的に早いランドヌールは除きます)
24時間以上の走行とか、途中で眠くならないか心配すぎる…
このように心配される方にとっては非常に酷となりますが、スタートから18〜20時間が経過した頃になると、眠気がピークになることが多いです。(眠気の感じかたには個人差があります)
そのため、「眠気を感じたら仮眠を取る」というのが単純な対策となるのですが、大体はコンビニ前で10〜20分弱の仮眠を取ってスタートすることになります。
もちろんコンビニ前ではなく、ネットカフェやビジネスホテルで仮眠を取ることも可能です。
ですが、個人的にはロードバイクを輪行袋に収納してチェックインをする手間と時間を考えると、400kmブルベではコンビニ前の方が良いと感じています。
次のチェックポイントが、PCか通過チェックかどうかで、仮眠の時間は大きく異なります。
ブルベ中の仮眠場所は以下の記事でまとめていますので、参考にしてみてください。
胃が疲労していても食事を取らなくてはならない
「24時間以上走行しなくてはならない」の内容に関連して、長距離を走るエネルギーを確保するためにも、食事の回数が多くなります。
僕の場合は60〜80km前後で弁当やパスタなどを食べることが多いのですが、300kmを過ぎた頃に、お腹は減っているのに胃が受け付けない…
ということがありました。
そうなった場合の対策として、以下のような食べ物でエネルギーを補給することがおすすめです。
- ジェルタイプの補給食
- カロリー(糖質)が多いジュース
- ゼリーや和菓子、アイス
注意点として、ブルベ中のエナジードリンクは避けることが無難です。
僕は以前、眠気覚ましとカロリー補給の両方ができてなんて効率がいいんだ!
ということを思い、レッドブル355mlを飲み干してスタートしたところ、気持ち悪くなってしまい、20分弱ダウンした苦い経験があります…
普段はなんともないのに、弱った胃には刺激が強かったみたいです…
深夜帯走行時の防寒対策が不可欠
スタート時間にも左右されますが、一般的な6:00スタートの場合、300km前後の地点で深夜帯になっていることが多いです。
深夜帯になると、夏であったとしても汗だくのジャージによって、身体が汗冷えします。
そのため、対策としてはインナーを着替えたり、ウィンドブレーカーを着用するなど、防寒対策を行う必要があります。
PCや通過チェックでの休憩中に、身体が冷えることも多いので、長時間の停車は控えるようにしたいです。
尚、ウィンドブレーカーはワークマンやmont-bellが有名ですが、予算に応じて適切なものを用意してください。
それと、インナーは吸水性・速乾性が高いベースレイヤーが非常におすすめなので、まだ使ったことがない方はぜひ試してみて下さい。
完走に向けての準備と意識したこと
事前に150〜200km程度の距離を走っておくことに加え、以下3点を意識して当日に臨みました。
どれも重要だと感じていますが、こまめにストレッチをしたお陰で、身体の疲労や痛みを軽減できたので、非常におすすめです。
前日に多くの睡眠時間を確保する
400kmブルベでは24時間以上の走行が発生することから、前日に多くの睡眠時間を確保するようにしました。
平日の仕事で疲労が溜まっていることに加え、前日の睡眠時間が短いと、走行中に眠くなってしまうことが容易に想像できたので、普段より多くの睡眠時間(8時間程度)を確保しました。
本当はもっと多くの睡眠時間を確保したいのですが、有給休暇でも使わない限り、難易度が高いのが現状です。
朝早くのスタートの場合、8時間弱の睡眠時間がサラリーマンの限界だと感じています…
こまめなストレッチを心掛ける
400kmに挑戦するにあたり、ロードバイクのフィッティングを受け、ペダリングを修正しました。
そのこともあって、今までよりも明らかに大腿四頭筋(ふとももの前側)が痛くなるようになったため、PCや通過チェックでの休憩中は「スマホを見る <<< ストレッチ」を意識して筋疲労の軽減に専念しました。
また、毎日ストレッチを継続することで、柔軟性の向上にも取り組みました。
ストレッチしていなかったら完走できていなかったかも…とすら感じています。
ロードバイクのフィッティングについては以下の記事でまとめていますので、参考にしてみてください。
寒暖差の変化に敏感に対応する
最後は面倒であったとしても、寒暖差の変化へ柔軟に対応するように心掛けました。
深夜帯に限らず、汗で濡れたジャージのまま走行し続けると、汗冷えによって身体が冷えてしまいます。
少しでも寒さを感じたタイミングで立ち止まり、ジレタイプや長袖タイプのウィンドブレーカーを着用して、身体を冷やさないようにしました。
走行する季節にも左右されますが、長袖タイプだと逆に汗をかいてしまうこともあったので、僕はジレタイプのウィンドブレーカーを愛用しています。
体幹を冷やさないように意識しました。
【まとめ】眠いと感じたら迷わず仮眠を取って完走を目指そう!
400kmブルベの持ち物や費用感、難易度や注意点を解説してきました。
24時間以上も走行しなくてはならないこともあり、400kmブルベの難易度は非常に高く、600kmよりも難しいと感じているランドヌールも多いです。
400kmブルベの注意点は以下の通りです。
特に300kmを過ぎた頃になると、急激に眠くなることもあるため、少しでも眠いと感じたら、無理をせず仮眠を取ることが重要です。
また、個人的に400kmからは根性だけでクリアできない距離感になっていると感じたため、僕はフィッティングを受けてペダリングを改善してから挑戦することにしました。
そのため、できる限りの準備を行ない、万全の状態で臨むようにしてもらえたらと思います。
まずは300kmを完走してから、400kmに挑戦することをおすすめします。
おすすめの反射ベストやテールライトをまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
400km以外の記事も以下でまとめていますので、参考にしてみてください。
コメント