最低でも200km以上のロングライドとなるブルベでは、多くのカロリー(エネルギー)が必要です。
個人差はあるものの、「消費カロリー >> 摂取カロリー」となってしまうことが大半ですので、PCや通過チェックでの休憩中に加えて、ライド中においても意識的な補給が不可欠です。
とはいえ、
ブルベのようなロングライド中は、どんな食事をすれば良いの?
食事は基本コンビニだから、毎回同じような内容で飽きるんだよな〜
このようなことを思われるのではないでしょうか。
結論として、ブルベ中は疲労の蓄積で食欲や胃の機能が低下することもあるため、前半は固形物、中盤〜後半はジェルをメインとした補給がおすすめです。
これらの内容を踏まえ、ブルベのようなロングライドを完走するために重要な食事・補給について詳しく解説します。
食事に飽きてしまう場合は、ご当地グルメを検討してみてください。
消化吸収に優れたエネルギー効率の良い食事・補給を意識する
消費カロリーが多いけど、カロリーが摂取できれば何を食べてもいいのでは?
僕は以前このように考えていたことがあり、PCや通過チェックでの休憩時に、高カロリーな菓子パンや揚げ物などのホットスナックを食べていたのですが、
しっかり食べたのになぜか力が出ないぞ…?
ということがありました。
そのため、食事内容を見直してみたところ、PCや通過チェックで「何を食べるか?」が非常に重要だということが分かりました。
3大栄養素で優先度を考えた場合、コンビニでは以下の順で補給を行うことがエネルギー効率が良いのでおすすめです。
おにぎり、パン、うどん、パスタ、羊羹など
サラダチキン、ゆで卵、プロテインバー、ヨーグルトなど
揚げ物、レジ横のホットスナックなど
それぞれが重要なエネルギー源ではありますが、「脂質が少なくて炭水化物量が多い食事」ということになります。
脂質を避けるべき理由としては、消化に時間が掛かり、エネルギーに変換されるまでの時間が長い(エネルギー効率が悪い)からです。
また、菓子パンも糖質が多いですが、脂質も多いので避けるようにしたいです。
少し意識するだけで、補給後の回復具合が段違いです。
とはいえ、「炭水化物(糖質)」、「タンパク質」だけでは味気ないのも事実ですので、やや脂質が含まれていても、時には嗜好に応じてバランス良く補給することも重要だと感じています。
以降の項目では、僕がブルベ中に食べることが多い食事を紹介します。
【PCや通過チェック1〜2】ブルベ前半の食事・補給内容
- 塩おにぎり(海苔がないもの)
- 牛丼や親子丼
- パスタ(主にナポリタン)
- うどんや蕎麦
- バナナ
- だいふくや羊羹などの和菓子
- ウィダーインゼリーや果実ゼリー
- コーラや三ツ矢サイダー
- アクエリアスなどのスポーツドリンク
- アイス(サクレやガリガリくんなど)
牛丼や親子丼、パスタはやや脂質が多めでエネルギー効率が悪いですが、好物で腹持ちが良いので、稀に食べることもあります。
ルートにもよりますが、ブルベ前半はまだ胃が元気ですので、弁当類やおにぎり、和菓子など、満腹感が得られやすい固形物を食べることがおすすめです。
とはいえ、お腹が膨れすぎてしまうと後の走行に支障がでるので、腹八分目程度に抑えるようにしましょう。
また、固形物を食べる場合、消化の負担を軽減するためにも、よく噛んで食べることを意識してください。
繰り返しになりますが、脂質は消化されにくく、エネルギーに変換されるまで時間が掛かるので「糖質が多く、脂質の少ない」ものを選ぶことも重要です。※細かいですが、おにぎりの海苔も消化されにくいので避けた方が良いです。
【PCや通過チェック3〜5】ブルベ中盤〜後半の食事・補給内容
- 塩おにぎり(海苔がないもの)
- 電子レンジで温めるタイプのスープ類
- おでん(卵や大根など)
- バナナ
- だいふくや羊羹などの和菓子
- ウィダーインゼリーや果実ゼリー
- コーラや三ツ矢サイダー
- アイス(サクレやガリガリくんなど)
ブルベ中盤〜後半では、疲労の蓄積が原因で食欲がわかない場合も稀にあります。
このような場合は、エネルギー効率の優れた「エネルギージェルやエナジーバー」をメインに補給するようにしましょう。
ややコスパは悪いですが、アミノバイタルは栄養素が優れているのでおすすめです。
とはいえ、「エネルギージェルやエナジーバー」での補給に飽きてしまう場合は味変として、コーラやアイス、果実ゼリーなどでの補給もおすすめです。
一部重複するものもありますが、余程の空腹感がなければ、牛丼や親子丼、パスタなどの弁当類は基本的に食べないようにしています。
ですが、走行距離の長い400km、600kmブルベでは中盤以降でも食事が必要になるため、中盤〜後半のタイミングで固形物を食べる場合、消化のサポートを目的として、胃薬を服用することもあります。
食欲や胃の強さは個人差があるので、あくまで目安として考えてください。
ブルべ中の食事に飽きてしまう場合の考え方
エネルギー効率を意識すると、PCや通過チェックで同じような食事内容になりがちで、食事の楽しみがなくなってしまうことが、大きなデメリットです。
僕自身、消化・吸収に優れたエネルギー効率の良い食事を意識していますが、ブルベはレースではないので、終始エネルギー効率を意識し続ける必要はないと思います。
というのも、実際に以下のような流れで、ご当地グルメを堪能しているランドヌールを見かけたことがあり、ブルベを楽しんでいるな〜と素直に感じました。
- PCでは軽食のみを購入して即座にスタート
- 道中にある飲食店で食事を行う(海鮮丼やラーメンなど)
魅力的なご当地グルメを楽しめるのもブルベの醍醐味です。
PC・通過チェックの補給以外に意識する内容
PCや通過チェックでは「脂質が少なく、糖質が多い食事・補給」がおすすめだとお伝えしましたが、以下の内容についても意識するようにしてください。
当たり前の内容ですが、とても重要ですので、以降の項目で詳しく解説します。
【最重要】スタート前に必ず朝食を食べる
ブルベ当日の食事も重要ですが、必ず朝食を食べて参加するようにしましょう。
個人差はありますが、食べたものが消化されてエネルギーに変換されるまで、3時間弱の時間が掛かるため、「朝6時スタートのブルベなら3時頃に朝食を食べる」ことが理想となります。
とはいえ、朝早くに起きた結果、ブルベ中に眠くなってしまっても困るので、厳密に3時間前の食事を意識しなくても問題ないと思います。
ちなみに僕の場合は、ブルベのスタート1〜2時間前を目安に牛丼やカレーなど、がっつり食事(1000kcal程度)をすることが多いです。
血糖値の上昇や脂質など、やや気になる面もありますが、事前にエネルギーを補給しておくことで、スタート直後にお腹が減って力が出ない…
ということに、ならないようにしています。
なんにせよ「朝食を食べること」がとても重要です。
時間や距離を決めてこまめに補給を行う
ロードバイクは1時間あたりの消費カロリーが多いため、PCや通過チェックでの補給だけではエネルギーをまかなうことが難しいです。
そのため、僕の場合ですが、
- 1時間毎にプロテインバーや羊羹、グミなどを食べる
- 10km走行したらプロテインバーや羊羹、グミなどを食べる
このように、こまめに補給を行うようにしています。
こまめな補給を行うことで、エネルギー不足による失速やハンガーノックになりにくく、継続して速度を維持できるようになります。
エネ餅などもおすすめですが、ややコスパが悪いので、「かし原の羊かん」を愛用しています。
補給のタイミングは適宜調整するようにしてください。
【参考情報】走行距離別の消費カロリー目安
平坦や峠の割合、気温やその日の体調によって消費カロリーは前後しますが、ブルベなどのロングライドでは多くのカロリー(エネルギー)が消費されます。
以下は僕が以前参加したブルベの走行ログとなりますが、多くのカロリーが消費されていることが分かります。
参加ブルベ | 走行距離 | 獲得標高 | 平均速度 | 消費カロリー | 摂取カロリー | 平均心拍数 |
神奈川200km相模原 | 200km | 3944m | 19.8km/h | 10136kcal | 3130kcal | 161bpm |
神奈川200km箱根 | 2348m | 21.3km/h | 8280kcal | 2810kcal | 149bpm | |
金太郎200km | 3123m | 21.2km/h | 7427kcal | 2750kcal | 140bpm | |
神奈川300km渡良瀬 | 300km | 1022m | 23.3km/h | 7203kcal | 3640kcal | 114bpm |
東京400ぐるっと伊豆イチ | 400km | 4288m | 20.6km/h | 8942kcal | 6060kcal | 128bpm |
日本橋400 (100周年記念) | 1456m | 22.4km/h | 14379kcal | 4440kcal | 143bpm | |
東京600いってこい千曲川 | 600km | 4767m | 21.7km/h | 18146kcal | 6670kcal | 126bpm |
同じ体型であっても個人差があるので、あくまで目安として考えてください。
消費されるカロリーすべてを補給する必要はありませんが、スタミナ切れやハンガーノックにならないようにするためにも、意識的に補給を行うことが重要です。
それと補足ですが、正確な消費カロリーの数値を知りたい場合は心拍数センサーの装着がおすすめです。
というのも、心拍数のゾーンによって、消費されるエネルギー源の割合が変化します。
大まかにですが、
- 心拍数が低い場合(低供度):主に脂質が利用され、消費カロリーが抑えられる
- 心拍数が高い場合(高強度):主に糖質が利用され、消費カロリーが増加する
という点が異なるため、ダイエットや消費カロリーを抑えたいと考えている場合は、心拍数が上がり過ぎないように走行することがおすすめです。(低強度の心拍数ゾーンで効率的に脂肪を燃焼しましょう!)
僕は安価なmagneの心拍数センサーを利用していますが、接続の速さとバッテリー容量が多いので気に入っています。
腕に巻くタイプの心拍センサーもありますが、ブルベで使うにはバッテリー容量が心許ないので、電池タイプを選びました。
【まとめ】ブルベ中はできるだけ脂質の多い食事を控えるようにしよう!
ブルベ完走に必要な消費カロリーと、食事・補給内容について解説しました。
走行距離に応じて消費カロリーが増えるので、エネルギー不足による失速やハンガーノックにならないためにも、消化・吸収に優れたエネルギー効率の良い補給が重要です。
脂質の多い食事は美味しくて魅力的ですが、消化に時間が掛かり、胃の負担も大きいので、ブルベ中は極力避けるようにしましょう。
とはいえ、エネルギー効率を意識し過ぎてしまうと、各PCや通過チェックで同じような食事内容となってしまう可能性が高いです。
そのため、時にはエネルギー効率は気にせず、好きなものを食べて、ブルベを満喫してもらえたらと思います。
2024年はブルベ中に必ずご当地グルメを食べる!ということを目標に取り組みたいと考えています。
以下の記事でブルベの解説をしていますので、参考にしてみてください。
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