自分の体に最適なポジションを調べ、ロードバイクを調整してくれるフィッティングサービス。
前々から存在は知っていたものの、
ロードバイクを買った時に調整してもらってたけど、それじゃ駄目なの?
わざわざお金を払ってまで、ハンドルやサドルの高さや調整する意味ってあるの?
このような感じで、フィッティングに対して、ややネガティブな印象を持っていました。
ですが、サイクリング中の膝の痛みが深刻化してきたこともあり、藁にもすがる思いでフィッティング(SpecializedのRETUL FIT)を受けてみたところ、
- 間違った乗車姿勢・ペダリングを改善できた
- 長距離のサイクリングでも膝が痛くならなくなった
- 手のひらの痛み・痺れが大幅に軽減できた
このような結果が得られ、ロードバイクに乗ることが超楽しくなりました!
という結論です。
これらの内容を踏まえ、僕の実体験を元にロードバイクのフィッティングで得られた効果について解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
個人的な意見ですが、以下の内容に当てはまる方はフィッティングを受けてみても良いかもしれません。
- ロードバイクのポジションを我流で頻繁に調整している方
- 楽に長い距離を走れるようになりたいと考えている方
- 体の痛み解消や快適性を求めてパーツを購入しがちの方
ロードバイクのことで悩んでいる人におすすめです!
ロードバイクのフィッティングサービスとは
身長や体の可動域、骨盤の大きさや柔軟性を基に、ロードバイクのハンドルやサドル、クリート位置を調整し、最適なポジションを算出してくれるサービスです。
その他にも乗車姿勢やペダリングを確認し、指導も行ってくれますし、ポジションの調整方法も学べます。
はじめはレースで勝ちたい人(ガチ勢)向けのサービスなのでは?という印象が強かったですが、趣味でロードバイクに乗っているホビーライダーにとっても非常に有益なサービスであると感じました。
僕は地元の自転車屋でSpecializedのRETUL FIT(リトゥールフィット)というサービスを受けました。
初心者、中級者を問わず、ロードバイクに対する悩みがあるなら、率先して受けるべきサービスです。
ロードバイクのフィッティングを受けた経緯
フィッティングを受けようと思った経緯は、以下3つがあります。
- ロングライド中に生じる膝の痛みが深刻化していた
- ロングライド中に手のひらの痛みや痺れに悩んでいた
- 300km以上のロングライドを完走できる見込みが持てなかった
僕の場合、レースなどの競技で勝ちたい!というよりも、長距離をまったり自分のペースで走りたいホビーライダーです。
そんな中でブルベという長距離のサイクリングイベントを知り、SR獲得を目指しはじめたものの、膝や手のひらの痛みが深刻で、300km以上の距離を完走できる見込みがまったく持てませんでした。
膝の痛みに有効なストレッチやマッサージなど、ネットや書籍で調べて実践しましたが、根本的には解消できず、また整形外科で診療を受けてみても根本的な解決には至りませんでした。
そこで職場の先輩ランドヌール(SR獲得済み)に相談してみたところ、フィッティングを受けてみたら?
というアドバイスをもらったため、正直半信半疑ではありましたが、藁にもすがる思いでフィッティングを受けてみることにしました。
もしフィッティングを受けて治らないのであれば、ロードバイクを辞めようとすら思っていました…
長距離のサイクリングイベントの「ブルベ」については以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
フィッティングに期待していたこと
フィッティングに対して期待していたことは、以下の3つになります。
- ロングライド中の膝の痛みを解消したい
- ロングライド中の手のひらの痛み・痺れを解消したい
- 巡航速度を向上させたい
基本的に、フィッティングを受けた経緯の内容と重複しますが、特に膝の痛みの解消を一番に期待していました。
それと、あわよくば巡航速度も向上したらラッキー!と考えていました。
深く悩んでいたこともあって、フィッティングへの期待値が非常に高かったです…
ロードバイクのフィッティングを受けてみての感想
およそ2時間掛けて、身体の柔軟性やペダリング、サドル位置などを確認・調整してもらったのですが、結果的に乗車姿勢やペダリングを大きく修正しなくてはなりませんでした。
そのため、フィッティング直後は、乗車姿勢やペダリングが大きく変化したことで、乗車姿勢の維持やスピードが出せなくなってツラい…
というのが率直な感想でした。
具体的には、フィッティングで以下のような内容を指摘・調整してもらいました。
- 体幹を使って前傾姿勢を維持するように指摘された(乗車姿勢の改善)
- ペダルは踏まないで回すように指摘された(ペダリングの改善)
- サドル位置、ハンドルの角度を調整してもらった(自分の体にロードバイクを最適化)
特にペダリングですが、大腿四頭筋やハムストリングを使ったペダリング方式へ改善するよう指摘されたものの、無意識にできるようになるまで、およそ3ヶ月弱の期間が掛かる結果に…
加えてペダリングを修正している期間は、巡航速度は22〜25kmを維持するのが精一杯になりましたし、ライド後の大腿四頭筋の筋肉痛が凄まじかったです…
それこそ小学校低学年の頃から染み付いている自転車のペダリングを修正するのは、至難の業でした…
また、サドル位置をやや高めに調整(15mm)したことで、前傾姿勢が取りやすいポジションになり、より体幹を使える乗車姿勢になりましたが、筋力不足を痛感することに…
ですが、坐骨幅を測定して自分に合ったサドルへ変更したことで、重心がブレずにペダリングできるようになり、快適さは向上しました。
ここまでの流れだと、フィッティングに対し、ややマイナスの印象を持たれたかもしれませんが、一番期待していた「膝の痛み」は完全に解消されました!
この点については、「膝の痛みについて」の項目で詳しく解説します。
フィッティング後の変化(ビフォーアフター)
フィッティング前後の乗車姿勢について確認していきます。
端的に言うと、ロードバイク乗りっぽさを感じる乗車姿勢になりました。
中級者風の雰囲気が出ていますね。
乗車姿勢(フォーム)の変化
空気抵抗を軽減できるよう、サドルの高さを上げて、前傾姿勢を意識した乗車姿勢へ改善しました。
とはいえ、常に前傾姿勢を維持できるか?
と言われると、正直難易度は高く、特にブルベのようなロングライドでは、後半になってくると乗車姿勢を維持できないことが多いです。
ただ、前傾姿勢を意識することで空気抵抗が減り、ロングライド時の疲労軽減を実感できるようになりました。
ロングライドの後半になっても、余力を残して走り切れるようになりました。
続いて「フィッティングに期待していた3つのこと」に対する変化について解説します。
- ロングライド中の膝の痛みを解消したい
- ロングライド中の手のひらの痛み・痺れを解消したい
- 巡航速度を向上させたい(できれば)
膝の痛みについて
一番の目的であった膝の痛みは完全に解消できました。
これだけでフィッティングを受けた価値がある!とすら感じているほどです。
具体的には、ペダリング時のつま先の角度を変えたことで、「踏むペダリング」から「回すペダリング」へ修正できました。
ですが、それこそ小学校入学前から当たり前のように乗っていた自転車のペダリングが染み付いていたこともあり、正しいペダリングに慣れるまで、3ヶ月程度の時間が掛かってしまいました。
とはいえ、この点を意識するようになっただけで、サイクリングに行ってもまったく膝が痛くならなくなったので、非常に満足しています。
膝の痛みが完全に消えたので本当に嬉しかったです。
手の痛み・痺れについて
乗車姿勢を修正したことで、手のひらに体重が乗らなくなり、痛みや痺れがほとんど出なくなりました。
とはいえ、痛みや痺れが完全に0になったか?
といわれると、そんなことはありませんが、フィッティング前に悩んでいた「300kmを走行した際の痛み・痺れレベル」を140(MAX100)だとすると、40程度にまで軽減できました。
僕の体感値となりますが、手のひらの痛み・痺れレベルを簡単にまとめてみました。
400km以上のブルベに参加しても、手のひらの痛みや・痺れで悩むことはなくなりました。
巡航速度の向上について
残念ながら、巡航速度には大きな変化はありませんでした。
ですが、結果として膝への負担を限りなく抑えた状態で、今までと同程度の巡航速度(30km/h前後)を維持できるようになりました。
- 改善前の「踏むペダリング」
- 30km/h前後で巡航速度を維持をしていると、走行距離50kmくらいでほぼ確実に膝が痛くなる。
- 改善後の「回すペダリング」
- 30km/h前後で巡航速度を維持していても、膝が痛くならない。
ただ、こちらも安定して30km以上が維持できるようになるまで3ヶ月以上は掛かりましたね…
フィッティングサービスの費用感
サービス内容により異なりますが、フィッティングにはおよそ10,000円〜40,000円程度の費用が必要な場合が多いです。
実際に体験して効果を実感したSpecializedのRETUL FITが個人的にはおすすめですが、似た内容であることから、以下のようなサービスもおすすめです。
提供元 | Specialized | ACTIVIKE | Y’sRoad |
サービス名 | RETUL FIT | トータルフィッティング | バイオレーサースタンダード+ |
価格 | 33,000円(税込) | 30,000円(税込) | 14,300円(税込) |
ACTIVIKEのトータルフィッティングは、ツールド沖縄で上位入賞されるほどの実力者である、にっしーさんのフィッティングサービスです。
やや高額ではありますが、高評価の口コミが多く、僕の友人も実際にフィッティングを受けて効果を実感していました。
Y’sRoadのバイオレーサースタンダード+はお茶の水店限定ですが、安価な価格設定が魅力のフィッティングサービスです。
安価な価格帯にも関わらず、3,000円分のポイント還元付きでコスパ最強な点も大きな魅力です。
SpecializedのRETUL FITは一番高額ですが、多くの系列店で提供されているため、実施店舗を探しやすいのが大きな魅力です。
どのサービスも非常におすすめです。
ロードバイクのフィッティングが高い理由
ロードバイクのフィッティングサービスが高額な理由は、主に以下の3つがあると感じています。
- 専門知識を持った人にしかできない
- 担当者の拘束時間が長い
- 高額な機材を利用している
実際に僕が受けた「RETUL FIT」では、以下の工程でのフィッティングが進み、合計2時間弱の時間が掛かりました。
- フィッティングの目的をインタビュー
- 坐骨の大きさを測定
- 体の柔軟性や可動域の確認
- クリートの位置確認
- 乗車姿勢やペダリングの確認
- ロードバイクのポジション調整
もちろん、中には数千円程度で行える安価な価格帯のフィッティングもあります。
しかし、これら全項目があって、快適にロードバイクに乗れるようになったと感じていますので、どうせ時間を作るのであれば、先ほど紹介した精度の高いフィッティングを受けることをおすすめします。
「ACTIVIKEのトータルフィッティング」も「Y’sRoadのバイオレーサースタンダード+」もサービス内容を見る限り、似た手順でフィッティングを行う印象を受けました。
専門知識を持った担当者を長時間拘束することになるので、高額になってしまうのも納得です…
追加で機材の購入が必要になる可能性が高い
フィッティングを受けることで、自分の体に最適な機材が分かるのですが、追加で機材の購入が必要になる可能性が高いです。
具体的には、
- サドルを上げたことで深い前傾姿勢をとれるポジションになったが、身体が窮屈な状態になってしまったため、少し長めのステムが必要になった。
- 利用していたサドルの幅が143mmだったが、ペダリングの度にお尻がズレていたため、自分の坐骨幅に適したサドル(155mm)が必要になった。
このように、フィッティングサービスだけで完結できないのが、ややネックでもあります。
Powerサドルを追加で購入しましたが、予算の関係でステムは見送ることにしました。
【まとめ】ロードバイクの悩みはフィッティングで解消しよう!
SpecializedのRETUL FITの内容を元に、フィッティングサービスの概要や体験後の変化について解説しました。
フィッティング直後は、乗車姿勢やペダリングが大きく変化したことで、乗車姿勢の維持やスピードが出せなくなってツラい…
というのが率直な感想でしたし、指摘された内容へ改善できるまで、3ヶ月近くの期間が掛かってしまいました。
ですが、膝や手のひらの痛み・痺れが改善されたため、心の底から受けて良かったと感じています。
サービス内容によって、フィッティングの費用感は異なりますが、およそ10,000円〜40,000円程度の費用が必要な場合が多いです。
提供元 | Specialized | ACTIVIKE | Y’sRoad |
サービス名 | RETUL FIT | トータルフィッティング | バイオレーサースタンダード+ |
価格 | 33,000円(税込) | 30,000円(税込) | 14,300円(税込) |
やや高額ではありますが、フィッティングは今後のロードバイクライフを支える基盤だと感じています。
そのため、以下の内容に当てはまる方や、ロードバイクに乗り始めたばかりの初心者、ホビーレーサーにとっても非常におすすめです。
- ロードバイクのポジションを我流で頻繁に調整している方
- 楽に長い距離を走れるようになりたいと考えている方
- 体の痛み解消や快適性を求めてパーツを購入しがちの方
受けてみたいけどちょっと高いな…
という場合は、ご自身のロードバイクを購入したショップに相談してみることもおすすめです。
フィッティングで悩みを解消して、楽しいロードバイクライフを満喫しましょう!
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