
「体重を減らす」ことではなく、「余分な体脂肪を燃焼させる」ことを指しており、脂質を制限するローファットダイエットを推奨しています。
ロードバイクは体への負荷が低く、長時間サイクリングできることから、消費カロリーを稼ぎやすい特徴があります。
とはいえ、ロードバイクでのダイエットを考えた時に、

1か月でどのくらいロードバイクに乗ればいいの?



ダイエットと心拍数って何か関係があるの?
このように悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
身長や体重によって異なるので、あくまで目安にはなりますが、月間走行距離は300~500kmで十分というのが本記事の結論です。
また、効率良く脂肪燃焼をするため、サイクリング中の心拍数が高くなり過ぎないように注意する必要があります。


この画像は僕が3ヶ月間ロードバイクでのダイエットに取り組んだ時の体重の推移で、71.2kgから64.2kg(マイナス7kg)の減量に成功しましたが、3ヶ月間のサイクリングの合計は524kmで、平均すると174km/月になります。
僕と同じ体型であれば、ある程度参考になるかもしれませんが、あなたの身長や体重、ロードバイクに乗る頻度や心拍数によって必要な走行距離は異なります。
これらの内容を踏まえ、月間走行距離の算出方法やダイエットに効果的な心拍数ゾーンについて解説します。



サイクリングは消費カロリーを稼ぐ手段であって、ダイエットの本質ではありません。
月間走行距離の算出方法


月間走行距離を算出するためには、直近のサイクリングでどのくらいのカロリー消費があるのかを確認します。
その上で、
- 1か月で何kg痩せたいのかを決める(体重の5%以内)
- 1日の摂取カロリーを決める
- 月間走行距離を算出する
このような流れで必要な月間走行距離を算出することで、効率的にダイエットに取り組めます。
仮に、100kmのサイクリングで3000kcalを消費している場合、必要な走行距離は以下のように算出できます。
減らしたい体重 | 1kg | 2kg | 3kg | 4kg | 5kg |
必要な消費カロリー | 7200kcal | 14400kcal | 21600kcal | 28800kcal | 36000kcal |
メンテナンスカロリー | 2100kcal | 2100kcal | 2100kcal | 2100kcal | 2100kcal |
1日の摂取カロリー | 1800kcal | 1800kcal | 1800kcal | 1800kcal | 1800kcal |
1日あたりのマイナスカロリー | 300kcal | 300kcal | 300kcal | 300kcal | 300kcal |
1か月あたりのマイナスカロリー | 9000kcal | 9000kcal | 9000kcal | 9000kcal | 9000kcal |
不足している消費カロリー | -1800kcal | 5400kcal | 12600kcal | 19800kcal | 27000kcal |
月間走行距離 | 0km | 180km | 420km | 660km | 900km |
- 体脂肪を1kg燃焼するには、およそ7200kcalのカロリー消費が必要です。
- 食事制限で毎日300kcalのマイナスカロリーを維持することを前提に計算しています。
- 1か月で1kg痩せたい場合、サイクリングの必要はありません。
1日の摂取カロリーやPFCバランスは以下のフォームで確認できるので、参考にしてみてください。
基礎代謝(BMR)とメンテナンスカロリーの計算方法
基礎代謝(BMR)の計算式
基礎代謝量は、ハリス・ベネディクト方程式を用いて計算しています。
- 男性の場合
- BMR=88.36+(13.4×体重(kg))+(4.8×身長(cm))−(5.7×年齢)
- 女性の場合
- BMR=447.6+(9.2×体重(kg))+(3.1×身長(cm))−(4.3×年齢)
メンテナンスカロリーの計算式
メンテナンスカロリーは、基礎代謝量に活動係数を掛けて計算しています。
メンテナンスカロリー = BMR×活動係数
- 活動量が低い(1日の平均歩数が2000~3000歩): 活動係数 = 1.1
- 活動量がやや低い(1日の平均歩数が3000~5000歩): 活動係数 = 1.275
- 活動量が標準(1日の平均歩数が5000~7000歩): 活動係数 = 1.45
あくまで目安となりますが、このような流れで月間走行距離を算出できます。時間の制約や必要な走行距離が増えてしまうため、個人的には300~500kmがおすすめだと感じています。
とはいえ、ローラー台を保有していたり、毎週100km以上のロングライドを日常的に行っている方であれば、走行距離を稼ぎやすいので、



1か月で900kmとか余裕だから、5kg以上痩せれそう!
このように考える人もいると思います。
ですが、筋分解の割合が増えてしまうリスクがあるので、1か月で落とす体脂肪は、体重の5%以内で設定(体重70kgなら3.5kg以内)するようにしてください。
尚、今回はサイクリングによる消費カロリーが3000kcalの場合で計算していますが、実際にどのくらいのカロリー消費があるかは人によって異なります。
100kmのサイクリングで2500kcalの消費であるなら、必要な走行距離は長くなるので、心拍計を利用して正確な消費カロリーを把握するようにしてください。



ダイエットする上で心拍計は必須です。
月間走行距離の目安は300~500km


冒頭でお伝えした通り、サイクリングを楽しみながら健康維持やダイエットを考えている場合、月間走行距離は300~500kmがおすすめです。
300~500kmのサイクリングであれば、およそ9000~15000kcalのカロリーを消費できるため、1か月で2kg弱の体脂肪を燃焼できる計算です。
とはいえ、ダイエットの成功には食事が大きな割合を占めているため、走行距離を増やすだけでは思っているように痩せられない可能性があります。(特にお腹周り)
そのため、「ロードバイクに乗る時間を増やせば痩せる」と考えるのではなく、食事内容の改善と合わせて計画を立てて取り組むことが重要です。



無理なく継続できる距離を設定しましょう。
ロードバイクでの消費カロリーを把握する


ロードバイクでの消費カロリーを把握することは、ダイエットを行う上で非常に重要です。
サイクリングのおおまかな消費カロリーはWebサイト(ke!san)で確認できますが、身長や体重、年齢や心拍数によって変動します。
また、STRAVAやRide with GPS、ガーミンなどのサイクルコンピュータで大まかな消費カロリーを確認できますが、ダイエット中はカロリー収支が肝になるので、心拍計を利用して正確な消費カロリーを把握するようにしてください。
心拍計には様々な種類があり、手首や腕、胸で計測するタイプがありますが、3,000円前後の製品であれば、正確に心拍数を計測できるので、お好みで選んで貰えたらと思います。
胸に取付けるタイプ
胸に取付けるタイプ
腕に取付けるタイプ


スマートウォッチのように手首で計測する場合、汗の影響で正確な心拍数が取れないことがあったため、個人的には胸に取り付けるタイプをおすすめします。



心拍センサーは高くなくても大丈夫です。
サイクリングの強度(心拍数)によって消費カロリーは増減する


サイクリングの強度を図る指標として、心拍数があります。
高強度では心拍数が高いので消費カロリーが増え、低強度では心拍数が低いので、消費カロリーは少なくなります。
このようにお伝えすると、



高強度でサイクリングをすれば効率が良さそう!
と思われそうですが、ダイエットの観点では逆で、低強度の心拍数で長時間サイクリングを継続することが推奨となります。
というのも、有酸素運動中はエネルギー源として主に糖質、脂質が利用されるのですが、心拍数によって利用されるエネルギーの割合が異なります。
- 心拍数が低い場合(低強度):主に脂質が利用されるが消費カロリーは少ない
- 心拍数が高い場合(高強度):主に糖質が利用されるが消費カロリーは多い
一時的に峠に差し掛かって心拍数が上がってしまう場合は特に問題ありませんが、脂肪燃焼を目的としている場合は、低強度の心拍数を維持することを意識してください。



心拍数をコントロールして、体脂肪を効率的に燃焼させましょう。
強度を判断するための心拍数ゾーンと算出方法について解説します。
心拍数ゾーンの算出方法


心拍数ゾーンは年齢によって異なるため、ご自身の年齢を元に算出する必要があります。
- 最大心拍数を計算する(220-年齢)
- 最大心拍数に基づいて各ゾーンの範囲を計算する
例えば年齢が30歳の場合、最大心拍数が190(220-30)となり、各運動強度における心拍数のゾーンは以下となります。
この場合、ゾーン2の114~133の心拍数を維持してサイクリングを行うことが脂肪燃焼に効果的だと判断できます。
ゾーン | 強度 | 最大心拍数の割合 | 実際の心拍数 |
---|---|---|---|
ゾーン1 | 非常に軽度 | 50-60% | 95-114 bpm |
ゾーン2 | 軽度 | 60-70% | 114-133 bpm |
ゾーン3 | 中程度 | 70-80% | 133-152 bpm |
ゾーン4 | 激しい | 80-90% | 152-171 bpm |
ゾーン5 | 非常に激しい | 90-100% | 171-190 bpm |
利用しているサイクルコンピューターによっては、ご自身の情報を入力すると自動で心拍数ゾーンを計算してくれる製品もあります。



僕はwahooのエレメントボルトを利用していますが、自動で算出してくれます。
以下エレメントボルトのレビュー記事なので参考にしてみてください。
ダイエットには心拍ゾーン2が最適


心拍数ゾーンは、最大心拍数を元にパーセンテージで分けられ、運動強度を示す指標として利用されます。
ゾーン | 強度 | 最大心拍数の割合 | 主なエネルギー源 | 説明 |
---|---|---|---|---|
ゾーン1 | とても軽い | 50-60% | 主に脂質 | リラクゼーションと回復に良いゾーン。 脂質を効率的に燃焼できるが、消費カロリーは少ない。 |
ゾーン2 | 軽い | 60-70% | (脂質優位) | 脂質と糖質脂肪燃焼ゾーン。 長時間運動が可能で、ダイエットに最適。 |
ゾーン3 | 中程度 | 70-80% | 糖質と脂質 (糖質優位) | 有酸素運動のピークゾーン。 持久力向上に最適で、糖質の利用割合が増える。 |
ゾーン4 | 激しい | 80-90% | 主に糖質 | 高強度の運動ゾーン。 カロリー消費量は多いが、脂質燃焼率は低下する。 |
ゾーン5 | とても激しい | 90-100% | ほぼ糖質のみ | 最大心拍数に近く、短時間しか継続できない。 無酸素運動の領域。 |
ダイエット目的の場合、ゾーン2の心拍数で行うサイクリングが最適です。



心拍数を確認して維持するためにも、心拍計が不可欠です。
月間走行距離が少なくても痩せられた理由


少ない距離でも痩せられた理由は、食事内容の改善に力を入れ、カロリー収支をマイナスにしていたからです。
体脂肪1kgを減らすには、およそ7200kcalの消費が必要です。ロードバイクは関節への負担が少なく、長時間継続しやすい有酸素運動なので、適切な強度で走行距離を増やせば消費カロリーが増えて体重の減少につながります。
実はダイエット初期の頃、「とにかくロードバイクの距離を増やそう!」と考えていました。
しかし、カロリー収支がマイナスなら、必ずしも走行距離を無理に増やす必要はないと気づき、徐々に走行距離が短くなり、結果的に1か月の平均距離が174kmになった感じです。



ダイエット成功の鍵は「食事管理」と「適度な運動」なので、バランスを取りながら続けることが大切です。
【参考情報】長距離サイクリングでの消費カロリー目安


僕は稀に長距離のサイクリングであるブルべに参加しています。
参考となりますが、各距離で消費されるカロリーを記載していますので、参考にしてみてください。
走行距離 | 200km | 300km | 400km | 600km |
制限時間 | 13時間30分 | 20時間00分 | 27時間00分 | 40時間00分 |
必要なグロス速度 | 14.8km/h | 15.0km/h | 14.8km/h | 15.0km/h |
平均獲得標高 | 2000m〜3000m | 2000m〜4000m | 3000m〜5000m | 4000m〜6000m |
平均消費カロリー | 4000〜8000kcal | 7000〜12000kcal | 9000〜15000kcal | 15000〜20000kcal |
ブルべについては以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。





とにかく辛いですが、完走した時の達成感は非常に大きいです!
【まとめ】月間走行距離は消費カロリーを元に算出する


ロードバイクでダイエットを行う場合に必要な月間走行距離や、心拍数について解説しました。
仮に、100kmのサイクリングで3000kcalを消費している場合、必要な走行距離は以下のように算出できます。
減らしたい体重 | 1kg | 2kg | 3kg | 4kg | 5kg |
必要な消費カロリー | 7200kcal | 14400kcal | 21600kcal | 28800kcal | 36000kcal |
メンテナンスカロリー | 2100kcal | 2100kcal | 2100kcal | 2100kcal | 2100kcal |
1日の摂取カロリー | 1800kcal | 1800kcal | 1800kcal | 1800kcal | 1800kcal |
1日あたりのマイナスカロリー | 300kcal | 300kcal | 300kcal | 300kcal | 300kcal |
1か月あたりのマイナスカロリー | 9000kcal | 9000kcal | 9000kcal | 9000kcal | 9000kcal |
不足している消費カロリー | -1800kcal | 5400kcal | 12600kcal | 19800kcal | 27000kcal |
月間走行距離 | 0km | 180km | 420km | 660km | 900km |
身長や体重によって異なるので、あくまで目安にはなりますが、月間走行距離は300~500kmに設定することがおすすめです。
とはいえ、サイクリングでの消費カロリーは天候や体調よって異なりますので、心拍計を利用して正確な値を把握するようにしてください。
加えて、心拍数にはゾーンがあり、脂肪燃焼にはゾーン2を維持することが最適です。
ゾーン | 強度 | 最大心拍数の割合 | 主なエネルギー源 | 説明 |
---|---|---|---|---|
ゾーン1 | とても軽い | 50-60% | 主に脂質 | リラクゼーションと回復に良いゾーン。 脂質を効率的に燃焼できるが、消費カロリーは少ない。 |
ゾーン2 | 軽い | 60-70% | (脂質優位) | 脂質と糖質脂肪燃焼ゾーン。 長時間運動が可能で、ダイエットに最適。 |
ゾーン3 | 中程度 | 70-80% | 糖質と脂質 (糖質優位) | 有酸素運動のピークゾーン。 持久力向上に最適で、糖質の利用割合が増える。 |
ゾーン4 | 激しい | 80-90% | 主に糖質 | 高強度の運動ゾーン。 カロリー消費量は多いが、脂質燃焼率は低下する。 |
ゾーン5 | とても激しい | 90-100% | ほぼ糖質のみ | 最大心拍数に近く、短時間しか継続できない。 無酸素運動の領域。 |
そのため、効率的かつ無理なく脂肪燃焼をするためも、サイクリング中の心拍数が高くなり過ぎないようにコントロールする必要があります。
1か月あたりの走行距離や心拍数も重要ですが、毎日の食事内容見直しも必要になるため、「ロードバイクに乗る時間を増やせば痩せる」と考えるのではなく、食事内容の改善と合わせて計画を立てて取り組むことが重要です。
以下の記事で食事内容の改善方法について解説していますので、参考にしてみてください、





1か月で落とす体脂肪は、体重の5%以内で設定してダイエットに取り組みましょう。
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